小さな手をつなぎながら、白杖を片手にてくてくと買い物に向かう。
行き先は自宅から大人の足で15分程度のところにあるショッピングセンター。
ママは風邪をひいて動けないので、3歳の息子と、見えないパパの僕とふたりで、初めてのショッピングセンターへのお買い物だ。
息子のオムツが切れたので買いに行かなければならなかった。
ひとりで行ってこようと思っていたら、息子も一緒に行くと言う。
どうしようかと思ったが、思い切って二人で買い物に行くことにした。
小さな手をしっかりと握りしめながら、てくてくと歩き始める。
笑顔で息子と話をしながらてくてくと足を進めるが、無事に行って帰ってこれるか内心はどきどきしていた。
でもなぜかきっと大丈夫という根拠のない自信があった。
僕の住む洛西は歩道も広く、自転車も少ないことから歩道はとても歩きやすい。
歩いていると、前から自転車が来る音。
すると小さな息子が「パパ自転車やで!」と言いながら僕の手を引いて自転車をよけてくれた。
おぉ、息子が僕をガイドしてくれている!
その後も、「パパ信号やで!」と言いながらきちんと止まってくれる。
その完ぺきなガイドに驚いてしまった。
ショッピングセンターに着いてドラッグストアでオムツを買う。
いつもはいているオムツのところに自分から向かい、「パパあったよ!」と商品を手にとる。
子供用のトーマスのシャンプーも切れているからと、そのシャンプーも手に取って、レジへと向かう。
店員さんにオムツのサイズを確認してもらい、そこだけ少し違っていたので変更してもらったが、何の問題もなく買い物をすることができた。
帰りにおもちゃ屋さんでガチャガチャをして、ショッピングセンターを出た。
さすがに歩き疲れたようでだっこをせがまれるが白杖と買い物袋を持ちながらのだっこはとてもきつい。
息子の体重も15キロ近くはあるので大変だ。
さすがに手がもげそうになってしまったが、無事に帰宅。
どきどきしながらも息子とはじめてのショッピングセンターへのお買い物に涙がこぼれそうになった。